胸郭出口症候群の対策と鍼灸
胸郭出口症候群の原因や対策と当院での鍼灸施術の方法の解説ですのでご参考下さい。
胸郭出口症候群の原因と症状
人間の体の鎖骨の周囲に斜角筋三角と呼ばれる部分があります。筋肉と第一肋骨で囲まれた部分がちょうど三角形をしているのでこのように呼ばれています。
この部分から出ている神経、血管の束が圧迫されて起きた障害のことを胸郭出口症候群と言い、斜角筋症候群、頚肋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群などがあるとされています。
症状には、手のしびれなどの知覚異常、手指の冷感、チアノーゼなどが見られます。
原因として考えられることは、神経、血管の圧迫や、硬くなった筋肉が考えられます。筋肉が硬くなると、筋肉そのものが痛み、しびれ等の原因になることも多くあります。
原因となる筋肉としては、斜角筋と呼ばれる首すじにある筋肉や、大胸筋、小胸筋という胸の筋肉などが主に考えられます。
胸郭出口症候群対策
胸郭出口症候群の主な対策として普段から取り組めることとしては、お風呂にゆっくりと入って体を温める、十分な睡眠を取る、ビタミンを摂取して疲労回復を助けるなどがあります。
また、肩が凝るような姿勢や動作を出来るだけ避けるほうが良いでしょう。
仕事でパソコンをよく使う場合や細かい作業を頻繁に行うなどの場合はどうしても症状が悪化してしまいます。ですから対策としては入浴後のストレッチがオススメです。
ストレッチで首や肩周り、胸の筋肉を伸ばして上げてみて下さい。自分で出来るのならば首、肩、胸の筋肉を優しくマッサージしてあげることも良いでしょう。
痛みやしびれが極度に強い場合は頚椎椎間板ヘルニアの可能性も考えられますので要注意です。症状が強い場合はまず病院で医師の診察を受けることが大切です。
また、胸郭出口症候群の症状によっては手術が必要なケースもあるようですので、その場合は医師の指示に従って下さい。
病院で医師に診察を受けて、例えば手術などが必要な症状ではなかったということが分かってから鍼灸院での施術を開始しても決して遅くありませんので、まずは病院で診察を受けましょう。
胸郭出口症候群の鍼灸
胸郭出口症候群の鍼灸では主に首周り、肩、背中などが施術対象になります。症状として多いのは腕がだるいとか、しびれる、腕が重く感じて挙げられない、などが多いかと思います。
これらに対して鍼灸で施術を行うわけですが、単純に腕に症状があるから腕に対して施術をする、というわけにはいきません。
大事なことは、どのような動作をした時に症状が増すのか?ということによる動作分析により原因となる筋肉を突き止めることです。
例えば、高い所にある物を取ろうとした時や、洗濯物を干すような動作をした時に腕が重く感じて挙げにくいとか、または、電車のつり革を長時間持っていられないというような症状の場合は、施術部位は首、肩、そしてよく見落とされがちな鎖骨の下の筋肉になります。
まず首ですが、首には斜角筋(しゃかっきん)という細い筋肉があり、この筋肉に対して施術を行います。細い筋肉で、かつ、神経が通っている部分に近いので、ここに関しては指で刺激を加えます。
また、胸郭出口症候群に伴って肩や首のこりや、または背中のこりが見られる場合も多くあるので、背中や肩上部、肩甲骨の内側などに対しても施術を行っていきます。
次に肩関節の周囲ですが、ここには腕を上げる時に働く筋肉がありますので、この部分に対しては鍼で施術を行います。
そして、腕を上げる時に働く筋肉として大胸筋(だいきょうきん)という胸の筋肉に対して施術を行います。この筋肉は腕の骨から鎖骨の下にかけて走行していて、腕を上げる時に作用する重要な筋肉になります。
この筋肉が鎖骨の下に付着している部分と、上腕の骨に付着している部分に対して施術を行います。この部分は見落とされがちですが、痛みやしびれの原因になることも多くあるので施術対象になります。
胸郭出口症候群ではどこか1箇所だけが原因ということは少ないので、広い範囲の施術で始めて、ポイントが絞られてきたらその部分に集中して施術をするという方法で進めることが多いです。
胸郭出口症候群に関してよくあるご質問
胸郭出口症候群に関してよくあるご質問です。胸郭出口症候群の方はご参考下さい。
Q1.現在の状態が鍼灸に対して適応かどうかに関するご質問
病院で検査をしてもらい、胸郭出口症候群と診断されました。手がしびれたり、痛くなったり、また、重く感じるため、洗濯物を干すのも大変な状態です。このような状態でも鍼は大丈夫でしょうか?
A1.回答
原則的に大丈夫です。何かの動作時に痛みやしびれが増す、という状況なら筋肉が原因のことが多いので、その場合は鍼灸の対象になります。原因となる筋肉での多いのは首、肩、鎖骨に付着している胸の筋肉などです。
どの筋肉が原因か?ということは触診や徒手検査の結果によって特定していきます。また、施術を進めていくうちに原因部分が新たに出てくることもありますので、施術当日のお身体の状態等により判断をし、施術を行っております。当院ではすべて使い捨ての鍼を使用しておりますので安心して施術を受けて頂けます。
ただし、当院で行っている動作分析や筋肉の触診等の徒手検査によって判断していますので、場合によっては不適応なこともありますのでご了承下さい。
Q2.セルフケアに関するご質問@
胸郭出口症候群と病院で言われましたが、自分でも何か出来ることはありますか?
A2.回答
日常生活や、仕事においては出来る範囲のことを行って下さい。症状の程度によっては洗濯物を干す時、パソコンのキーボードを打とうとして腕を挙げた時、電車のつり革を持とうとする時などに痛みやしびれが見られます。
日常生活でよく行う動作が行いにくいことが上記のようにあるかと思いますが、出来る範囲で行い、改善しようとして無理に我慢をしたりはしないように気を付けて下さい。
症状が強く出る時はとにかく肩が凝るような作業や姿勢は控えて下さい。また、筋トレをすれば良くなるとお考えの方もおられますが、これは場合によっては逆効果です。
なぜなら、症状が強く出ている時はトレーニングにより筋肉が疲労します。そうすると痛み、しびれの原因となっている筋肉がさらに疲労することになります。ですから、痛み、しびれが強い時は軽い体操程度なら構いませんが、重りを持って行うトレーニングは症状がかなり回復して、予防の時期になってから行うようにして下さい。
Q3.セルフケアに関するご質問A
家族にマッサージをしてもらっても構いませんか?
A3.回答
基本的には構いません。しかし、グイグイと力任せに強く揉んだり、長時間揉み続けることは避けて下さい。軽く凝りをほぐす程度にご家族の方に揉んでもらうことなら構いませんが、やり過ぎると一時的にはいいかも知れませんが、結果的には悪化することも考えられますので注意して下さい。
胸郭出口症候群でお悩みの方へ(院長コメント)
胸郭出口症候群の原因にはいろいろなことが言われています。当院ではトリガーポイント鍼療法の施術理論に基づき、筋肉が痛みやしびれの原因と考えて施術を行っています。
例えば、つり革を持つと腕がしびれてきたり、重くなってくる、という状況の場合は腕を前に上げる時に作用する筋肉が原因と考えます。
疲労が溜まり硬くなった筋肉が腕を上げるという動作によってさらに収縮すると痛みやしびれが増すことがあります。これを「収縮痛」と呼びます。
このように収縮時に痛みを出している筋肉を特定してその部分に対して鍼で施術を行います。
ケースによっては骨格が原因のこともあるかと思いますが、筋肉が原因で症状が出ていることも多くあります。これは胸郭出口症候群に限らず他の症状でも同様です。
すべての症状が鍼の適応とは言いませんが、筋肉が原因で起きている症状なら鍼治療の適応となることが多くあります。
レントゲン、MRI、その他の検査はしてもらった、しかし、筋肉は細かく診てもらっていない、という場合は一度お身体の状態を診せて頂ければと思います。
ご不明のこと、気になることなどありましたらお気軽にお問合せ下さい。
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